いえはぐ

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コラム [一話一絵]

あの春からこの春へ2022.04.07

『つくしがわらってるよ』
これは、ボクが小2のときに描いた絵本の題名です。

活発でいつも明るい男の子が、
土手で摘んだつくしをビンにさしてたんやけど、
つくしたちが段々しなびていくんよね。

で、その子も元気をなくしていくという、
少し切ないお話。

絵心のないボクが絵本の話をするなんて、
もの笑いの種を蒔くようなもんやけど、
ちょっとだけボクの体験談を語らせてください。

あれは、小1から小2になる春のこと。
つくしを摘んだりしてめちゃ楽しく遊んでたボクは、
通ってた小学校の分校のほうに行くことになってました。

当時のボクは、担任の先生に
こっぴどく叱られる悪ガキやったんですが、
真剣にボクに向き合ってくれる先生が大好きで、
離ればなれになるんがイヤでね。

その想いをしなびていくつくしに重ねて、
絵本を描いたんです。

ミステリと言う勿れやないけども
「真実は人の数だけある」 し、
こうやって説明しないと、
描き手の心中まで伝わらないもの。

実は、遺言もそう。
誰に何を渡すだけじゃなく、
なぜそうしたいのかを、
ご家族に話していただきたいと思います。

さて、『つくしがわらってるよ』のラストですが、
土に埋めたつくしたちが、
男の子が小3になる春に帰ってきました!

あったかい笑顔で男の子を迎えるつくしたちのように、
絶望に胸をさいなまれる人々に、
笑顔で手を差しのべる世界であってほしい。

いえはぐは、心からそう願っています。