『つくしがわらってるよ』
これは、ボクが小2のときに描いた絵本の題名です。
活発でいつも明るい男の子が、
土手で摘んだつくしをビンにさしてたんやけど、
つくしたちが段々しなびていくんよね。
で、その子も元気をなくしていくという、
少し切ないお話。
絵心のないボクが絵本の話をするなんて、
もの笑いの種を蒔くようなもんやけど、
ちょっとだけボクの体験談を語らせてください。
あれは、小1から小2になる春のこと。
つくしを摘んだりしてめちゃ楽しく遊んでたボクは、
通ってた小学校の分校のほうに行くことになってました。
当時のボクは、担任の先生に
こっぴどく叱られる悪ガキやったんですが、
真剣にボクに向き合ってくれる先生が大好きで、
離ればなれになるんがイヤでね。
その想いをしなびていくつくしに重ねて、
絵本を描いたんです。
ミステリと言う勿れやないけども
「真実は人の数だけある」 し、
こうやって説明しないと、
描き手の心中まで伝わらないもの。
実は、遺言もそう。
誰に何を渡すだけじゃなく、
なぜそうしたいのかを、
ご家族に話していただきたいと思います。
さて、『つくしがわらってるよ』のラストですが、
土に埋めたつくしたちが、
男の子が小3になる春に帰ってきました!
あったかい笑顔で男の子を迎えるつくしたちのように、
絶望に胸をさいなまれる人々に、
笑顔で手を差しのべる世界であってほしい。
いえはぐは、心からそう願っています。