いえはぐ

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コラム [一話一絵]

ごんとゴン2021.01.07

「ぼいちゃ?」
子どもの話に耳をそばだてるが、わからない。
なんかのお茶かな?


聞いてみたら「ボイスチャット」やて。

ネットワークを通じてリアルタイムにメッセージを交換するチャットで、
音声を用いてやり取りできる。。ふむふむ。
残念やけど調べてもわからない。


まあ、ゲームしながらヘッドホンつけて
友だちと楽しそうに話してるから、
テレビ電話の仲間なんかな。


そういや、「ボイチャ」のように短かくする言葉が多くなりましたね。
メリクリ、あけおめ、ことよろ、ハピバ…
年甲斐もなくって思いながら、
ボクもメールでスタンプを送ったりしますけど。


こうみえてボク、言葉や文字が好きでして、
いにしえから伝わるいい言葉や文字を、大切にしたい人なんです。


子どものころ、怖かったけど大好きやった先生から
『新見南吉全集』をもらった時は、うれしくて何度も読み返しました。


ごんの「ちょっ、あんないたずらをしなければよかった」の寂しげなひとこと。
ほかのお話にも「雪の反射が眼に刺さる」や、
「文明開化の明るい火を一つ一つともしてゆく」とか、
いい表現があふれていて、物語が心に染み入りました。

きっと彼らも先達に学び、
自分らしい表現に苦心したんやないでしょうか。

て、偉そうに言うなって話なんやけど、
言葉や文字の使い方は時代にあわせて、 自由気ままでいいんかなと思うんです。
いまの子らの言葉を無限にあつかう自由さが、
将来すてきなモノや仕事を生みだすはずやから。

昔に聞いた、こんな歌が頭をよぎりました。


なんにもない なんにもない まったくなんにもない
うまれた うまれた なにがうまれた

ごんとゴン。おあとがよろしいようで。
今年も「一語一絵」によろしくおつきあいください。